冬の大山

大山寺とレイライン|富士山・出雲大社を結ぶ祈りの線

大山と出雲神話

大山(だいせん)は、出雲の「国引き神話」とも密接な関係があります。

八束水臣津野命(やつかみずおみづのみこと)が国引きのため引っ張った綱が、
今の弓ヶ浜半島(ゆみがはま)や出雲の長浜だといわれています。
そして、その綱をつなぎとめた杭が三瓶山(さんべさん)と、この大山だと伝えられています。

大山寺は、かつて3000人もの僧兵を抱え、栄華を誇った時代もありました。
高野山金剛峯寺(和歌山県)や比叡山延暦寺(滋賀県)と並ぶ大寺となり、
その勢力は非常に強大だったと伝えられています。

また大山は、標高約1,729メートルで、富士山(3,776メートル)より低めですが、
筆者は初めて大山を見た時、その迫ってくるような距離感の近さにぞくぞくしました。

富士山は遠くから眺めることが多く、景観の全体像を楽しむ山のように感じますが、
大山は登山道までの麓の町に、神社や寺院などをはじめ、
農地や牧場、美術館やビールの醸造所、観光ホテルもあり、
人々の生活や自然と一体になった景色をより身近に感じられます。

車で大山寺近くまで登ることもできるため、体力に自信のない方でも景色を楽しむことができます。
広い駐車場からは米子市内や日本海が一望できます。

大山寺の歴史と信仰

大山寺と牛馬信仰・お地蔵さま
大山寺は西暦700年代に開創された古刹で、出雲国風土記や日本書紀よりも古い歴史を誇ります。

長い歴史の中で牛馬信仰が広まり、さらに地蔵菩薩による
「生きとし生けるものすべてを救う」という信仰も深まっていきました。

牛馬信仰とお地蔵さま

そして平安時代には、大山寺の高僧・基好上人が牛や馬の安全を祈る守り札を配布し、
山の中腹の牧野での放牧も奨励したと伝えられています。

人間だけではなく、人間を支えてくれている牛や馬にも祈りをささげる、優しい信仰です。

実際に大山寺の周りには多くのお地蔵さまが祀られており、
歩いていると、温かく静かに見守られているような気持ちになります。

oplus 0

レイラインという考え方

大山寺は、富士山と出雲大社を結ぶ「レイライン」と呼ばれる神秘的な線上に位置するとする説でも知られています。
古代の聖地や山が一直線に並ぶという考え方で、パワースポットとして紹介されることもあります。

もちろん歴史的に証明されているものではありませんが、
古くから「信仰の山」として崇められてきた大山の麓に立つと、
この場所が特別な意味を持ってきたことは自然と感じられます。

大山で感じた「畏れ」

大山の自然の雄大さに触れると、自分の小ささを再認識すると同時に、
どこか神様に守られているような感覚にもなりました。

初めて大山を見たときに感じた、迫ってくるような「畏い」という感覚は、
車で山を上へ上へと進んでいく途中でも、ふとよみがえってきます。

ですが、大山の豊かな自然や、お地蔵さまのやさしいまなざしに触れるうちに、
山の厳しさへの畏れだけではない、どこか温かな気持ちにもなりました。
そんな大山寺の訪問となりました。

まとめ・体験感

大山寺周辺を歩くと、歴史と信仰、自然が一体となった空気を感じることができます。
牛馬信仰やお地蔵さまの存在は、古代から受け継がれた人々の生活や願いを今に伝えています。
出雲神話やレイラインの神秘とともに、大山での参拝体験は、日常を忘れる特別な時間となりました。

大山寺周辺には、参拝後に立ち寄れる源泉かけ流しの湯もあります。
静かな山空気の中で体を温める時間は、参拝の余韻を深めてくれます。
こちらは「 豪円湯院|大山参道に湧く源泉かけ流し」の記事にまとめています。

この土地の物語

-大山ガンバリウス|大山の水が育てたクラフトビール

-03|大山どりのもも肉で照焼チキン。地ビールヴァイツェンでいただく

-皆生温泉・美保関・大山|海と温泉と神話を巡る3日間

-メルキュール鳥取大山リゾート&スパ|大山で時を忘れて過ごす

大山の宿

-メルキュール鳥取大山リゾート&スパ

大山周辺で泊まれる宿は、下記のサイトから検索できます。

大山周辺で泊まれる宿を探す

大山を望む道の途中でこんな静かな街道に出会うこともできます

-ふと迷い込んだ、つつじの咲く静かな街道

山の中で静かな時間を過ごしたあとは、
更に川に沿い、町へ、そして海へ向かうこともできます

-水の記憶― 山陰地方へ向かう、伯備線沿線の魅力 ―

大山の麓からさらに東へ進むと、日本海の表情は一変します

-夢のようで、少しこわい|鳥取の日本海と白兎神社の記憶