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山陰の庭園文化をめぐる
足立美術館
Adachi Museum of Art
島根県|安来市

島根県・安来市(やすぎし)にある足立美術館を訪れて感じたのは、自然の豊かさが、人の手によって丁寧に、静かに整えられているということでした。
そこにあるのはただの庭ではなく、どこまでも緻密にしつらえられた一つの風景。
自然でありながら、どこか人工的で、その均衡の中に、日本の美意識の輪郭が浮かび上がってきます。
まるで完璧な「芸術作品」、日本画の世界に入り込んだような感覚でした。
参考動画:参考動画:足立美術館・島根県 Adachi Museum Garden JAPAN 日本 /SHISO PRODUCTIONS.

安来(やすぎ)という土地は、山あいに広がる自然豊かな場所です。
地名の由来には、出雲神話の中で荒ぶる神として知られるスサノオが、この地で「心が安らいだ」と語ったことから、「安来」と呼ばれるようになったという説も残されています。
そんな土地の静けさの中に、このような洗練された空間があることに、どこか不思議な感覚とともに、深い感動を覚えました。
庭を眺めたあとの静けさは、この土地の空気の中で、ゆっくりと余韻へと変わっていきます。
足立美術館・清水寺をゆっくり巡るなら
足立美術館から清水寺、白鳥ロード、道の駅あらえっさへ。
安来には、静かな景色が点在しています。
寄り道を楽しみながら巡るなら、レンタカーでの旅もおすすめです。
さぎの湯荘
Saginoyusou
島根県安来市|鷺の湯温泉
足立美術館から徒歩すぐの、さぎの湯温泉にある宿「さぎの湯荘」は、美術館滞在後に訪れたい、静かな老舗旅館です。
素材にこだわった客室、手入れの行き届いた庭、一品一品丁寧に仕立てられた料理。
やわらなお湯。
どれも、美術館で感じた“整えられた美”の延長のように、静かに心に染みわたります。
▽傷ついた鷺を癒した湯と伝わる、さぎの湯のお湯
▽手入れの行き届いた日本庭園の眺め
足立美術館を訪れた後の静かな余韻を楽しみたい方へ
山あいの清水寺境内にある、精進料理の宿「紅葉館」
Koyokan
島根県安来市
さらに車で少し足を伸ばすと、清水寺の境内にたどり着きます。




1400年の歴史を持つこの寺は、山の風景の中に静かに溶け込むように佇んでいます。
その中にある三重塔は、この土地に積み重ねられてきた時間を象徴するような存在です。
境内にある宿、紅葉館では、どの部屋からもその塔を望みながら、静かな時間を過ごすことができます。
ここでいただく精進料理は、安来の山で採れた山菜を中心に、素材の持ち味を丁寧に引き出したもの。
華やかさとは違う、静かで深い満足感があります。
お肉や魚がなくても、自然と「おいしい」と感じてしまう。
その味わいは、美食という言葉を越えて、この土地の在り方そのものを伝えているようでした。
▽静かな山の中に佇む、紅葉館(広間)
▽どの客室からも三重塔を眺めることができます
山の静けさの中で過ごしたい方へ
さぎの湯荘での滞在も、清水寺を望む紅葉館での滞在も、どちらも、自然の美しさにほんの少し手を加え、より美しく整えて差し出すという感覚に満ちています。
それは派手なおもてなしではなく、ただ静かに、ていねいに寄り添うような在り方。
ただ在るものを楽しむという文化が、この土地には、確かに息づいています。
安来の冬を訪れる白鳥たち
安来には、冬になると、この土地にはシベリアからコハクチョウたちが渡ってきます。
清水寺から足立美術館へ向かう途中には、「白鳥ロード」と呼ばれる道があり、毎年多くのコハクチョウが安来平野の田んぼに集まります。
夜は中海沿いの米子水鳥公園で羽を休め、朝になると安来の田園地帯へ飛び立ちます。
田んぼに残る稲の穂や根をついばみながら過ごし、夕方になると再び中海へ帰っていくそうです。
私も米子水鳥公園を訪れたことがありますが、白鳥たちが昼間は安来で過ごしていることを知り、この土地の自然のつながりの豊かさを改めて感じました。
夕日に染まる田んぼに集まる白鳥たちの姿は、足立美術館や清水寺で感じた静けさとはまた違う、この土地が本来持つ美しさのように思えます。



静かな時間を過ごしたあとに、この土地の暮らしにふれる場所へ。
道の駅「あらえっさ」では、
山陰の食や人の営みが、やさしく集まっています。
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道の駅あらえっさ|山陰の恵みが集まる、やさしい寄り道スポット
山陰の道を走る途中で出会う「道の駅あらえっさ」。地元の食材や素朴な味わいが集まる、やさしい寄り道スポットです。
静かな時間を、この土地で過ごしてみたいと思ったら
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足立美術館で感じた、自然を整え、美しく見せるという日本の美意識。
その文化は、安来だけではありません。
松江には武家文化を伝える庭園があり、由志園では季節の花々が水辺を彩ります。
それぞれ異なる美しさを持ちながら、どれもゆっくりとした静かな時間が流れています。
この土地の庭園をもっと歩く
山陰のもうひとつの風景へ
足立美術館で感じた「整えられた美」とは対照的に、奥出雲には山や田畑、人の暮らしが織りなす素朴な風景が広がっています。
神話やたたら製鉄の歴史、世界農業遺産の里山を巡る旅は、安来の旅の続きを感じさせてくれるでしょう。
