障子越しに眺める月照寺の庭園

月照寺|あじさいと庭園に包まれた、松江の静かな時間

松江には、日本庭園や茶の湯文化など、美しさをたしなむ文化が今も残っています。

月照寺(げっしょうじ)もまた、そんな松江らしさを感じられる場所のひとつです。

松江城から車でほど近い場所にありながら、境内へ足を踏み入れると、町の喧騒は少し遠ざかります。

木々に囲まれた庭園や歴代藩主の墓所が残るこの寺には、松江らしい静かな時間が流れていました。

Contents

松江藩主松平家の菩提寺

月照寺は、松江藩主松平家の菩提寺として知られています。

境内には歴代藩主の墓所が残されており、松江の歴史を今に伝える場所でもあります。

月照寺の山門
△松江藩主松平家の菩提寺・月照寺。山門をくぐると静かな境内が広がります。

門をくぐると、木々に包まれた静かな境内が広がります。

観光地の賑わいとは少し違う、落ち着いた空気が漂っていました。

あじさいが彩る庭園

月照寺は「あじさい寺」としても親しまれています。

梅雨の季節になると、境内には色とりどりのあじさいが咲き、庭園や池のまわりを静かに彩ります。

池のほとりに咲く月照寺のあじさい
△梅雨の月照寺。池のほとりでは、あじさいが静かに色づいていました。

鮮やかに咲き誇るというよりも、少し曇った空や雨上がりの空気に溶け込むような色合いです。

池のほとりに咲く月照寺のあじさい
月照寺の庭園とあじさい
△門をくぐると、あじさいと水辺の庭が静かに広がっていました。

派手さはありませんが、その落ち着いた雰囲気がこの寺によく似合っていました。

長寿を願う大亀

境内でひときわ目を引くのが、大きな亀の石像です。

長寿祈願の亀として親しまれ、月照寺を象徴する存在となっています。

月照寺の長寿祈願の大亀
△長寿を願う人々に親しまれてきた大亀。月照寺を象徴する存在です。

長い年月をかけて磨かれた石肌には、多くの人々の願いが重なっているようでした。

松江藩の記憶が残る場所

境内の奥には、松江藩初代藩主・松平直政の墓所があります。

月照寺にある松平直政公の墓所
△松江藩初代藩主・松平直政の墓所。静かな森に守られるように佇んでいます。

また、月照寺では毎年茶筅供養も行われています。

茶の湯文化が根付く松江らしい行事であり、この寺が単なる歴史遺産ではなく、今も地域の文化とともにあることを感じさせてくれます。

庭を眺める

月照寺で最も印象に残ったのは、建物の中から眺める庭園でした。

畳の上に座り、障子越しに庭を眺める。

それだけの時間なのですが、不思議と心が落ち着きます。

月照寺の和室から眺める庭園
△客殿へ上がると、庭の緑がやわらかな光に包まれていました。
障子越しに眺める月照寺の庭園
△障子の向こうに広がる庭園は、一枚の絵を眺めているようでした。
月照寺の縁側と枯山水庭園
△縁側の先には、丁寧に整えられた枯山水の庭園。しばらく眺めていると、この静けさをそのまま持ち帰りたくなります。

整えられた庭園の美しさだけではなく、建物の趣や光の入り方、障子の格子の美しさ。

そのすべてが調和していて、庭を見るための空間そのものが美しく感じられました。

足立美術館や由志園とはまた違う魅力があります。

ここには、ただ景色を見るのではなく、静かに庭をたしなむ時間がありました。

小泉八雲も愛した松江

松江歴史館の外観
△松江歴史館前の橋から眺める風景。小泉八雲もまた、この町の静けさに深く惹かれました。

松江で暮らした小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、この土地の静けさや人々の暮らしに深く惹かれました。

月照寺の庭を眺めていると、その理由が少し分かるような気がします。

宍道湖の夕日や茶の湯文化、日本庭園。

松江には、自然をそのまま楽しむだけではなく、美しく整え、その時間を味わう文化があります。

月照寺もまた、そんな松江らしさを感じられる場所でした。

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