今日のルート
①旧ハーン邸(日本庭園を眺める)
②松江歴史館(館内にある『喫茶きはる』でお抹茶と和菓子体験)
③縁の宿 北堀にチェックイン
④お土産やさん「ぐらへるん」のイートインでお団子とお茶
⑤宍道湖のほとりで夕日を眺める
⑥大橋川沿いをのんびりお散歩
旧ラフカディオハーン(小泉八雲)邸

松江駅を降り、今回は朝ドラ「ばけばけ」で有名になった小泉八雲を尋ねるため、松江城近くを散策しました。
松江城の周りは、武家屋敷や松江城を囲むお堀が再現され残されており、
その当時の趣を当時のまま感じ取ることができます。

そして武家屋敷の通りの一角に、
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が住んでいた「ヘルン旧居」があります。

【小泉八雲旧居(ヘルン旧居)】
Lafcadio Hearn Former Residence
(営業時間)
4月~9月 9:00 ~ 18:00(受付終了 17:30)
10月~3月 9:00 ~ 17:00(受付終了 16:30)
(休館日)
年中無休(臨時休館あり)
(入館料)
個人:大人 400円 小・中学生 200円
団体:大人 320円 小・中学生 160円(20名以上)
松江市民:大人 200円 小・中学生 100円
駐車場:周辺有料駐車場あり
明治時代に 小泉八雲 が実際に暮らした旧居。
塩見縄手の静かな武家屋敷通りにあり、庭や畳の部屋には今も松江らしい陰影が残っています。
八雲はこの家で『知られぬ日本の面影』などを執筆し、
松江の水辺や怪談文化、静かな暮らしに強く惹かれていったと言われています。
周辺には和菓子屋さんやお茶処、松江城のお堀沿いの散策路もあり、
ゆっくり歩きながら訪れるのがおすすめです。
ハーンが気に入った日本家屋
小泉八雲は、松江の日本家屋のすばらしさを大変気に入ったと言われています。
そもそも日本家屋は、造りそのものが「自然という芸術品」を引き立てるための「余白」として成り立っています。
そこに四季折々の花や木を活ける。
自然との調和を楽しむことが、日本家屋の美意識のベースとなっています。
また、縁側の障子をしまうと、外と内の境界が額縁のように切り取られ、
自然が一枚の絵画のように立ち現れます。
住まいの中にいながら、季節の移ろいを静かに味わえるのも、魅力のひとつです。

小泉八雲も、蛙の鳴き声や四季折々の花々と共に、
日本家屋で過ごす自然との時間を大事にしていました。
私が訪れたのは3月。
床の間にはお雛様が飾られており、庭には梅の花が芽を出していました。
たたみの上に正座すると、「自然の美しさ以外に何もないことのすばらしさ」を
「しん」、と感じることができました。


引き継がれるものー松江の歴史
ヘルンさん、ヘルンさん、と地元の人たちに親しまれていた小泉八雲。
ちょうど私が訪れた3月1日は武家屋敷の通りの中心に位置している、ヘルンが英語講師として勤めていた現在の松江北高校の卒業式の日でした。
髪をゆるく巻いた女子高生たちが、
お堀に架かる橋を渡っていきます。
ここでもまた、
「変わらないもの」と「引き継がれていくもの」が
静かに交差していました。


松江歴史館内でゆっくり
Matsue History Museum
営業時間:9:00〜17:00(最終入館16:30頃)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)
観覧料:展示内容によって変動あり(展示室以外は無料)
駐車場:専用無料駐車場あり
松江城のすぐそばにある歴史館。
武家屋敷のような落ち着いた建築と、日本庭園の静けさが印象的です。

館内には「喫茶きはる」があり、
松江の和菓子や抹茶を庭園を眺めながらゆっくり楽しめます。
抹茶体験セットや季節の上生菓子、抹茶パフェなども人気で、
旅の途中に静かに一息つける場所です。

縁の宿 北堀
武家屋敷の通りには、小泉八雲記念館、ヘルン旧居だけでなく、この土地で有名な旅館も立ち並んでいます。
ヘルンも愛した日本家屋や日本庭園を通して、「ただそこに在る自然の美しさ」を堪能することができます。

武家屋敷の通りの向かいは、松の木がお堀を囲っており、
お堀の水の美しさと、松の木が凛々しいコントラストを作っています。
時折見えるお堀の遊覧船が、水面に真っ直ぐのラインを引く様は、また風情です。

お茶どころ松江
更に、松江藩主松平不昧公はお茶や和菓子を愛した大名茶人としても有名です。
松江は「水の都」とも言われており、お茶所でもあります。
武家屋敷の通りにあるお土産屋さん「ぐらへるん」に立ち寄り、
そこでまた、あんこで包まれた抹茶団子と日本茶をいただきました。
お茶も大変おいしかったです。
(「老舗のお茶屋さん『煎茶荘』が出店している『スカラベ136』で食べた抹茶モンブランについて紹介した記事」もあります。)

陰影を愛する文化ー京都と松江の共通点

一方で松江には、松の木や武家屋敷の影など、
いたるところにやわらかな陰影が見られます。
夕方には宍道湖に沈む夕日が街を包み込み、
大橋川沿いに並ぶ柳の影を、ゆっくりと長く伸ばしていきます。

(大橋川沿いの散歩については「松江大橋川沿いの夕暮れ — ゆっくりと伸びる柳の木の影」の記事で紹介しています。
明るさや華やかさだけでなく、
少しの暗さや静けさも含めて受け入れるような、
そんな空気がこの町にはあるように感じました。
その感覚は、どこか京都の街で感じたものにも少し似ているように思います。
美しいものの中にある陰の部分もまた、
自然に受け止められているような、静かな気配があります。
さらに、京都で見られるような妖怪や怪談の文化と同じように、
山陰でも「見えないもの」との距離の近さを感じる場面があります。
ラフカディオ・ハーンの『怪談』が生まれた松江、
水木しげるの故郷である境港、
そして青山剛昌の生まれた北栄町。
こうした土地では、
物語や語りを通して、見えないものとのつながりが
今も静かに受け継がれているように感じられます。
(青山剛昌については、コナンの展示会を見に行った時の思い出を
「夢のようで、少しこわい|鳥取の日本海と白兎神社の記憶」の記事で綴っています。)
祖父母からは、
この地域では昔、
困りごとがあると霊媒師を頼る人もいた、
という話を聞いたことがあります。
また、亡くなった人の話を日常の延長として語ることもあり、
子どものころ、夜中にトイレへ行くのが少し怖かった記憶も残っています。
出雲では、家の敷地内に先祖代々のお墓があることも多く、
「死」との距離の近さも、どこか自然なものとして感じられます。
そういえば、ラフカディオ・ハーンのお母さんのルーツであるギリシャもまた、
神話や八百万の神が息づく土地として知られています。
自然が生み出す陰影の気配や、見えないものに対してロマンや畏れを感じる感覚は、
海を越えて、どこかでつながっているのかもしれません。

この土地の物語
-スサノオとクシナダヒメの物語|八重垣神社と須賀神社をめぐる、出雲神話の旅
松江の宿
-宍道湖の夕日を眺める宿6選|水の都・松江で泊まる静かな時間
-玉造温泉|神の湯と呼ばれた日本最古の温泉地
-山陰の美しい日本庭園を眺める宿3選|四季の庭と過ごすひととき
