美保関の町並みに残る松浦酒店の看板

美保神社と青石畳通り|港町を歩く

皆生温泉や美保関を歩いていると、
この地域の旅には、景色や温泉とは別の、
静かな時間が流れていることに気づきます。

にぎやかな観光地ではありませんが、
港町の奥に、ひっそりと祈りの場所が残っています。

それが美保神社です。

雪化粧した美保神社の拝殿
△雪の日の美保神社。静寂の中に神聖な空気が漂います。

Contents

美保神社を参拝

真冬の2月、美保神社を参拝しました。

冷たい空気の中、境内はとても静かで、
外国人観光客や家族連れの足音だけが響いていました。

観光地の神社というよりも、
地域に根付いた祈りの場という印象です。

にぎやかさはありませんが、
その分、落ち着いて参拝することができました。

本殿は立派で、この地域の特徴でもある「大社造り」。
出雲大社と同じ形式の建築です。

厳かな空気が、静かに漂っていました。

出雲大社と同じ「大社造り」で造られた美保神社
△港町の静けさの中に佇む美保神社。漁師や商人たちの祈りを受け継いできた場所です。
美保神社の拝殿へと続く石段と境内(島根県松江市)
△美保神社の拝殿へと続く参道。
島根県松江市美保関町にある美保神社の拝殿と社殿
△美保神社の拝殿と社殿。背後の森に抱かれるように建っています。

恵比須様と家族愛・商売繁盛の伝説

前の記事でも書きましたが、
恵比須様(事代主神)を祀るこちらは、漁師の神様でもあり、
全国3385社のえびす神社の総本宮として知られています。

岩見神楽でも演じられる出雲神話に登場する恵比須様
△岩見神楽の中でも登場する恵比須様

海とともに暮らす町では、
航海の無事や商売の行く先を祈る場所として、
こうした神社がずっと大切にされてきたのだと思います。

また、出雲大社に祀られる大国主命と、妻・三穂津姫命との間に生まれた恵比須様は、
「家族愛」の神様としても知られています。

出雲大社と美保神社の両方をお参りする「両参り」をすると、
良いご縁に恵まれるとも言われているそうです。
(この土地のタクシー運転手さん談より)
(大国主命や恵比須様については「出雲神話|大国主命と八上姫、恵比須様誕生の物語」の記事でも触れています。)

ちなみに、旅好きのニューバイブル「ざつ旅」という漫画の12巻でも美保神社が取り上げられており、
「両参り」について描かれています。

御朱印を書いていた巫女さん

私の一つ前の方が、御朱印を書いてもらっていました。

寒い中、巫女さんは手袋をせず、静かに筆を動かしていました。

その姿はとても落ち着いていて、
自然とこちらも背筋が伸びるような気持ちになります。

派手な演出はありませんが、
静かな所作のひとつひとつが、
この場所の空気を表しているようでした。

姿勢や表情はとても美しく、
場の空気そのものが澄んでいくようでした。

そのあと、絵馬を購入しようとしていた私は、
自然と手袋を外していました。

鯛を描いた美保神社の絵馬
△鮮やかなデザインの美保神社の絵馬

→ 出雲大社参拝記事

石畳の街を散策

お参りの後は、青石畳通りを散策しました。

美保関の青石畳通り入口
△海風が吹き抜ける青石畳通り。昔ながらの港町の時間が今も静かに流れています。

陶芸の置物屋さんや地酒屋さん、
お醤油屋さん、アートギャラリーなどが点在していますが、
全体的にとても静かな通りです。

美保関の青石畳通りに続く石畳の路地
△少し横道に入るだけで、また違う表情の美保関に出会えます。

時間帯によっては、人通りはほとんどありません。

海から吹く風が、石畳の路地をゆっくり抜けていきます。

にぎやかな観光地のような活気はありませんが、
昔の港町の空気が、今も静かに残っています。

美保関の青石畳通りに続く石畳の路地
△古い木造建築が並ぶ青石畳通り。時おり海からの風が静かに通り抜けていきます。

青石畳は雨に濡れると少し青く光り、
港町らしい湿った空気を感じさせます。

路地も多く、少し覗いてみると、
また違った景色に出会えます。

青石畳通りの入り口横には無料の休憩室もあり、
鳥取や島根の観光情報のパンフレットが置かれていました。

青石畳通りの中には、国の登録有形文化財にも指定されている老舗旅館「美保館」があります。

青石畳通りに並ぶ木造建築と石畳
△青石畳通りに佇む国登録有形文化財の宿・美保館。港町の歴史と趣を今に伝えています。

港町の静かな時間や、美保神社の朝の空気を味わうなら、この町に一泊してみるのもおすすめです。

夜の青石畳通りを照らす灯り
△夜の青石畳通りを照らす灯り

木造建築の趣や海を望む客室からは、美保関ならではの穏やかな時間を感じることができます。

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港町と海辺の物語をたどる

美保関を訪れる前後に、中海に浮かぶ大根島へ足を延ばしてみるのもおすすめです。
水に囲まれた島にある由志園では、この土地ならではの庭園文化に触れることができます。
–神仏の通ひ路|松江と美保関をつなぐ、静かな水辺の道
-由志園|四季の移ろいを楽しむ大根島の日本庭園

出雲神話記事一覧

さらに東へ進むと、鳥取の海へとつながっていきます。
-皆生温泉|日帰り温泉「汐の湯」
-夢のようで、少しこわい|鳥取の日本海と白兎神社の記憶